エントロピーの子供シリーズ

現代性（contemporaneity）のデジタルイメージングをテーマに作業してきた作家Naniは世相(時代)の変化に反応する現代人（contemporaries）を表現するシリーズの作品をThe Children of Entropyと命名した。

エントロピー（entropy）とは、熱力学の無秩序度を意味する、
システム内の情報の不確実性を表す量をいう。

コロナ（COVID-19）後の新秩序（new norm）時代を生き進むべき現代人に「確かさ」は、保証されていない。

それほど私たちは現在において不確実性の中で生きている、この現実を説明するのにエントロピーの概念が最も適切であると作者は考えている。

私たちがこれからどこを行くのか、誰に会ってよいのか、どのような新しいことをすべきか、
すべてがわからない無限エントロピーの時代を生きているからである。

作品タイトルの”Children”は、私たち現代人を意味している。

まるで生まれたての幼子が、初めて見る世界すべてが見知らぬように、限りなく不確かな世界を生きている現代人にとっても、「New Norm」時代は不確実である。

”The Children of Entropy”一連の作家は、ニュノム（new norm）的世界観を多様に表現し、世界の不確実さを慰める想像力を提供している。

シリーズ1” The birth of Eve”は、この世界において人類初めの女性であるイブの誕生から始まり、
シリーズ2 ”Encountering of the Children”は、人間関係におけるニュノム時代の不確実性を鏡画像として表現している。